「他人のことを自分のことと考える」
東京西サトー製品販売株式会社(東京都立川市)
株式会社サトー(バーコードプリンタ等の自動認識システム業界で世界トップクラスのメーカー)の製品を販売する正規代理店として1981年に設立。その後、正規販売店となる。サトー製品の導入相談から設置まで一貫して実施。小売店舗、物流、配送システム、医療など、多くのフィールドに納入している。
担当者
- 横川 みどり 代表取締役
- 黒瀬 由美 マーケティング部主任
企業インタビュー
横川 東京西サトー製品販売株式会社は、バーコードプリンタやハンドラベラーなど、株式会社サトーが製造している製品の正規販売店となります。1981年に父が設立し、2012年に父の後を継ぎ私が社長となりました。当社では、「健康経営」という言葉がまだ世の中にない時代から、社員の健康増進に取り組んできました。父の考え方は「他人のことを自分のこととして考える。そして、社員を自分の家族として思う」でしたので、社員が健康はとても重要なことでした。
黒瀬 先代の社長の頃から、パートで働いている方も含め、全従業員が健康診断を受けられるようになっていました。現在もその取り組みは継続しており、横川が社長になってからは、希望者には乳がん検診、子宮がん検診、脳ドッグが受けられるようになっています。もちろん全額会社負担です。
「健康経営」という言葉ができる前から取り組む
これまでに取得してきた各種認定証
※左から「健康経営優良法人認定」「健康優良企業(金の認定)」「健康優良企業(銀の認定)」
横川 当社の健康に対する取り組みを、生命保険会社の方にお話ししたところ、健康経営という言葉を教えていただき、各種認定を取得できるのではないかとアドバイスを受けました。それをきっかけに、企業として認定取得に乗り出すことにしました。
黒瀬 経済産業省が管掌する健康経営優良法人(中小規模法人部門)は、2018年、2019年に引き続き2020年と、3年連続で認定を取得しています。また、2017年12月に協会けんぽの健康企業宣言STEP1の「銀の認定」を、2019年6月にはSTEP2の「金の認定」を取得しました。また、これまでの認定は、評価基準に合わせて取り組みを大きく変えることなく、取得できています。
横川 私は、健康に良さそうだなと感じたことをすぐに実行に移そうと考えています。修正すべきことがあれば、後から対応すればいい。とにかく行動することが大事だと思います。2018年にトレッキング部を発足しました。トレッキングに興味が芽生えて、これなら心身ともに健康になるだろうと考え、それじゃあ、みんなでやろうと(笑)。
トレッキング当日は会社に集合して、そこから車で行きます。初回は白根八方尾根に登りました。とても有意義で、楽しくて、それからトレッキングに夢中になりました。2018年には3回、2019年には2回行いました。社員旅行を兼ねており、社員の家族も一緒に参加が出来て、多い時には20名近くになります。トレッキングにはそれなりの服装や用具が必要になりますが、従業員1人につき10,000円まで会社が補助金を出しています。
黒瀬 ラジオ体操も行っています。週に1回、全体朝礼をしているのですが、そこでは必ず行っています。前職がスポーツクラブのインストラクターだった社員が、体操の先生役です。その社員の普段の業務はシステム構築ですが、自分の得意なことを活かしたいとのことなので、お願いしています。
横川 せっかくインストラクターという専門家がいるので、ぜひ近隣のお子さんにも体操の機会を提供したいと思い、当社のスペースを使ってお子さん向けの体操教室も行っています。春休みや夏休みなどに1クラス10名のお子さんを募ります。回を重ねるごとに評判が高くなり多数の応募が来るので、現在はクラスを増やしています。
従業員が「活きる」環境を作っていきたい
黒瀬 その他にもいろいろと取り組んでいます。まず、会社は全面禁煙です。導入時はちょっと反発もありましたが、みなさん理解してくれました。スタッフルームと呼ばれるちょっと一息つけるコミュニケーションスペースで飲み物を無料提供しているのですが、その飲み物をトクホ(特定保健用食品)※にしました。また、希望者はインフルエンザの予防接種も受けられます。最近はすっかり聞かなくなったプレミアムフライデーも当社なりのアレンジを加えて、しっかり実施しています。
※有効性、安全性などの科学的根拠を示して、国の審査のもとに消費者庁の許可を受けた食品のこと
横川 当社では保育園も自ら運営しています。それは、当社で働くお母さんに、お子さんのことを心配せずに安心して働ける環境を提供するためです。その根本には、冒頭で申し上げた父の「他人のことを自分のこととして考える。そして、社員を自分の家族として思う」という考えがあります。健康経営にしても、働き方改革にしても、次世代育成サポート企業※にしても、すべては社員を大切したいという思いでつながると考えています。
※「とうきょう次世代育成サポート企業制度」2018年3月31日をもって終了している。
今後は人が「活きる」会社にしてきたいと考えています。従業員一人一人がストレスを感じることなく個性を十分に発揮できる環境を作っていきたいです。みんながリラックスして楽しく働くことができれば、会社も成長していきます。従業員の力で日々会社が新しくなればいいと考えています。